共栄ニュース 2019年09月号「効果的な事故対策」
2019/09/02
共栄ニュース 2019年 09月号(Vol.234)ダウンロード
X県のA社は車両15台の運送会社です。石油製品を取り扱っている関係上、平素から事故について
は大変厳しく指導しています。毎月第4土曜日には、安全会議を開催し、社長以下全員参加の下、
「危険予知」「ヒヤリハット」についても真剣に討議しています。同社では、従業員全員に運行管理資
格の取得を義務付け、現在では約半数の従業員が有資格者です。
先日、同一月に軽易な製品事故が、2件立て続けに発生しました。ここ数年事故のない同社にと
っては大変なことと認識し、今回、改めて安全憲章の見直しを行い、これらの周知、徹底を図るた
めに、役員、管理職、ベテラン乗務員を集めて「安全対策合宿」を開催しました。
合宿の趣旨は、「原点回帰」ということで、改めて下記事項を再確認し、全員に周知、徹底を図る
ことを誓いました。
<A社の安全への誓い>
1.スローガン(安全憲章)
“ 安全、挨拶、有難う”
(トリプルAの浸透)
・安全は全てにまさる
・挨拶は最良のコミュニケーション
・有難うは、信頼と謙虚さの共通言語
2.指針(安全への誓い)
1)常に安全意識を高め、いかなる状況にあってもプロドライバーとしての責任感と
使命感でもって、安全確保に努めます。
2)安全は、風通しのよい職場環境から、社員間の情報の共有と透明性の確保を図り
ます。
3)共通の目標、協働への意欲、相互のコミュニケーションは安全のための砦(トリデ)
無事故ゼロへの挑戦は、我々の尽きることのない目標です。
4)安全への気づきは「初心を忘れず」
ルールの遵守と基本動作の徹底は安全への第1歩、「慣れる、マンネリ、忘れる」は
安全の大敵です。
5)安全は、仲間を、家族を、社会を守ります。
安全へのチャレンジは常に相互扶助の精神でもって実行します。
同社の安全対策の特徴は、「挨拶」「有難う」といった他社の安全対策では、使用されることがない
言葉が表示されていることです。同社によると、安全の最良の対策は、顧客や社内での挨拶であり、
感謝の気持ちにあるとの考えです。一般的に事故の直接的な原因としては、技術的・精神的要因、
職場環境要因、生活環境要因等が挙げられますが、事故の真因は、日常の基本動作にあるのかもし
れません。