共栄ニュース 2019年 12月号「運転者職場環境良好認証制度」

2019/12/02

共栄ニュース 2019年 12月号(Vol.238)ダウンロード

国土交通省は、本年6月に自動車運転事業者の労働条件や労働環境について、「ホワイト経営」へ
の取り組み状況を見える化するために「運転者職場環境良好認証制度」を目指すための報告書をと
りまとめ発表しました。
報告書によりますと、これまでの評価制度は、運行の安全性に関して評価・認定し、荷主等の利
用者に情報提供を行うための制度でしたが、新たな認証制度である「運転者職場環境良好認証制度」
は、主に運転者の労働条件や労働環境に関して評価・認証を行い、求職者へ情報提供を行うことを
主たる目的として制度設計を行うこととしたものです。具体的には、公募により事業者を認定する
実施団体を決定後に、年度内に募集開始の予定となっています。
同制度の認証の取得により、運送事業者にとっても運転者の採用活動の円滑化や、取引先からの
信頼向上による好影響が期待できます。
報告書によりますと、認証を得るための具体的な項目は、以下のとおりとなっています。


A:法令遵守等                         就業規則・36協定の届出
B:労働時間・休日                   改善基準告知、年次有給休暇、デジタコ導入・分析
C:心身の健康                         ハラスメント対策、労災発生状況、メンタルヘルス対策
D:安心・安定                         割増賃金の適正支給、定年後雇用の充実
E:多様な人材の確保・育成       女性ドライバー活用、正社員登用制度
F:自主性・先進性等                福利厚生制度の充実、業務軽量化取組み


また、認証制度の概要は、以下のとおりとなっています。


①認証単位: 事業者単位(申請者の選択により都道府県単位の申請も可能)
②審査方法: 書類審査(一定の割合で対面審査を実施)
③認証基準: 必須項目の全てを満たすこと
(加点項目の合計点数が基準点を満たすこと)
④認証段階: 複数の認証段階を設ける(一つ星、二つ星、三つ星)
二つ星、三つ星は、一つ星取得の翌年度から申請が可能となります
⑤有効期間: 2年間
⑥審査結果: 認証事業者は、プレスリリースの上、ホームページに公表
⑦インセンティブ措置: 認証マークの車両等への掲示、求人票への記載、国や事
業者団体による広報等


以上の認証制度は、現時点では準備段階ですので、本格的な実施は2020年度以降になると思われ
ます
が、認証取得に当たっては、各項目の要件を満たす必要がありますので、今から準備しなけれ
ばなりません。顧客の信頼、従業員の信頼を得るためにも、本制度の認証の取得を検討されてみて
はいかがでしょうか。

※本内容を無断で転載することを禁じます。