共栄ニュース 2021年5月号 「在宅勤務対応のポイント」

2021/05/06

 長引くコロナ禍の影響で、在宅勤務制度(テレワーク)を導入する企業が増加しています。しかし
制度の導入については、留意しなければならない幾つかのポイントがあります。現場からも、コン
プライアンス上の問題点や不平、不満、コミュニケーション疲れ等の声が多く寄せられています。
 国の方でも昨年8月から全5回にわたり「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」を開
催し、12月には報告書が公表されました。
 これらを踏まえ、在宅勤務制度を導入されている企業(今後導入を検討されている企業も含め)
においては、以下の問題点をチェックしてください。


1.労働時間に関するチェック
①始業・終業時刻及び休憩時間の管理
・会社での就業時間と同じか否か、できれば同じ方が無難です。
・確認方法・・・ZOOM、メール連絡等で確認すること

②事業場外みなし労働時間制度の適用
・事業場外みなし労働時間制度が成立する要件としては、会社の指揮命令を受けずに、
労働時間のカウントが出来ない場合に適用されます
・会社から頻繁に連絡がある場合や、インターネットが常時接続されておりリアルタイ
ムでの対応が求められている場合は適用されません。また安易に事業場外みなし労働
時間制度を適用すると否定された場合には、残業代未払いのリスクが発生します。”

③残業時間
・無難なのは「残業は原則禁止」です。健康管理の観点からも使用者は在宅勤務制度
においても労働時間を適切に把握する必要があります。

2.費用負担における問題

・使用PC等在宅勤務開始時の初期費用、Wi-Fi等インターネット関連の通信費、電気

代等の負担割合を具体的に決める必要があります。

・交通費(遠隔地を含む)の取決め、定期支給の際の精算方法の取決め。

3.情報管理コンプライアンス

・情報管理を本人のみに任せることは危険性があり、管理すべき項目及び流出させない対
策を規定化する必要があります。
会社のアクセスセキュリティは会社の責務です。”資料の持出し可能な範囲、PCデータや
関係書類の在宅での保管方法についても取決めする必要があります。

4.ネットハラスメント等のコンプライアンスチェック
・三密(「密接」「密会」「密使」)パワハラになっていないか?
「密接」・・密に説明を求める
「密会」・・上司が密にネット会議等を招集
「密視」・・テレワーク上で密に監視
・管理者へのパワハラ教育


上記1.2.3.4の項目は、制度導入の際に、管理者にとっても必要な知識です。併せて在宅勤
務に対する適正な評価や労災発生時の対応についても予め決めておくことも必要です。