共栄ニュース 2022年3月号 「コロナ禍における物流会社の」
2022/03/01
共栄ニュース 2022年 3月号(Vol.265):ダウンロード
長期にわたる新型コロナ感染拡大による物流への影響は随所に現れています。(公財)日本ロジス
ティクス・システム協会の「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による物流・サプライチェ
ーンへの影響アンケート調査結果(第3回)」によりますと、次のとおりとなっています。
1.物流に大きな変化があったか?
荷主企業 物流企業
変化があった 41.2% 58.2%
変化がなかった 55.9% 28.6%
不明、該当なし 2.9% 13.2%
新型コロナ感染により、物流全般に及ぶ変化については、顧客である荷主企業に比べ直接業務を
担う物流企業の方の影響が大きく、変化の度合を多く感じています。
2.具体的にどんな影響があったか?
荷主企業 物流企業
概ねコストが上昇している 21.4% 18.9%
概ねコストが下降している 3.6% 18.9%
トラックが確保しやすくなっている 42.9% 35.8%
輸送のリードタイムが長くなっている 14.3% 5.7%
輸送条件の変更、制約が生じている 17.9% 26.4%
物流拠点の賃料が上昇している 0.0% 9.4%
物流拠点を増やした 10.7% 1.9%
概ね現場作業員の人件費が上昇している 21.4% 18.9%
・具体的にどのような影響があったかについては、荷主企業、物流企業の双方の多くが指摘して
いるのは、トラックの確保がコロナ感染前に比べ容易になったことです。逆に言えば、従来やや
不足気味であった乗務員と車両の確保がしやすくなったと言えます。
・また荷主企業側から、以前に比べ物流コストが上昇した、輸送のリードタイムが長くなったと
の回答が比較的多く見られたのに対し、物流企業側の方は荷主企業ほど多くはありません。逆に
輸送条件の変更、制約が生じているとの回答が荷主企業に比べ物流企業が多くなっています。物
流現場では、輸送条件の変更、制約がある中で、従来のリードタイムを変えずに努力しているが、
荷主企業の方はそこまでは評価していない構図が垣間見えるようです。
3.サプライチェーンの中で優先的に取り組んだこと
荷主企業 物流企業
人事・組織の見直し 75.0% 82.4%
流ネットワーク 25.0% 19.8%
投資 5.9% 24.2%
資金 4.4% 7.7%
品質 ※ 25.3%
荷主企業、物流企業の双方にとって今回のコロナ禍により物流システム全般の見直しを
迫られる中、双方の多くが人事、組織の見直しの重要性を指摘しています。
環境変化に対応については、やはりソフトパワーが重要ということで共通しています。