共栄ニュース 9月号「乗務員採用におけるポイント」

2022/09/01

共栄ニュース 2022年 9月号(Vol.271):ダウンロード

運送会社の乗務員採用が困難になっています。採用の媒体手段としては主にハローワーク、求人
専門雑誌、ホームページやスマートフォンアプリ、及び口コミ、縁故等がありますが、現在では若
い応募者はインターネットによる応募が大半を占めています。ハローワークや縁故の場合、募集費
用は基本的には発生しませんが、それ以外については媒体に応じてそれなりの費用が発生します。
X県のA社は求人会社に求人雑誌掲載費用として毎月平均15万円を支払っていますが、過去6か
月間の1ヶ月平均応募者は約2名、内採用者は1名となっています。人事の担当者は採用コストが
年々上昇し乗務員不足の深刻化に歯止めがかからないと頭を抱えている状況です。
乗務員(特に若年世代)に応募を促すためには、どのような媒体であれ応募への訴求力をアピー
ルする必要があります。
一般の企業に比べトラック乗務員の職場環境は必ずしも恵まれている状況にあるとは言えませ
ん。しかしその中でも志望者は必ず一定数います。彼ら(彼女ら)に応募してもらうためにはとり
あえず応募へ導くための「その気にさせる求人票」を作成することがポイントです。採用効率の高
い会社の求人票の内容は下記の項目を重点的にアピールしています。


①平均的な月額賃金(特に手取り金額)歩合給の場合は平均的な歩合給額
賞与や退職金はある程度の効果はありますが限定的です
②年間休日日数(特に土、日勤務の状況)及び有給休暇の実施状況
③勤務時間(始業、終業時刻)、残業時間の実態
④労働環境、配送先企業
⑤荷役作業の負荷に関する内容
⑥福利厚生(特に医療・厚生等の健康福祉面)


上記項目を記載するとともに具体的な業務内容や会社の魅力を具体的に記載することが応募の
確率を高めることになります。

業務内容については乗車するトラックの内容、貨物の種類、配送ルート(輸送ルート)、長距離
運行の有無、長距離運行の場合は高速道路利用の可否及び宿泊の有無、頻度等が挙げられます。ま
た会社概要についても従業員の年齢構成や男女別従業員数、入社後の研修内容等の項目、会社の魅
力については「Gマーク」や「グリーン経営」「健康経営認証」の取得状況、無事故報償等の表彰
制度の有無等、アピールする項目があればできるだけ記載することが好ましいと言えます。さらに
最近では導入効果が顕著な採用手法として①社員紹介制度と②入社祝金制度が採用されています。
①は社員紹介時における奨励金として、都心部と地方により金額が異なってきますが、概ね紹介者
に1人3~10万円支給、②は入社時に1人5~20万円を支度金として入社した者に一定の条件の
下、支給する制度です。何れも一定の費用が発生しますが、採用コストとの比較で見ればかえって
効率的との見方もできます。
これらについても十分に検討の余地があると言えます。

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