共栄ニュース 8月号「組織力低下の要因」

2025/08/01

大手食品会社の構内作業を請け負うX社は、会社の規模が拡大するにつれて組織力の低下という課題に直面しています。A社長によると、現場からは都合の良い情報ばかりが報告され、トラブルやクレームといった不都合な情報がほとんど報告されなくなったそうです。先日、A社長が久しぶりに主要取引先を訪問したところ、思いがけない苦情を耳にし、大変残念な思いをしました。
 こうした組織の衰退は、以下の4つの要素の減衰によって引き起こされます。

   <組織が衰退する4つの要因>
 1.現場に「情報」が伝わらない(情報の減衰)
  ●伝達力:90%  ●理解力:80% ●理解度=90%×80%=72%
  社長の思い → 部長の理解度 → 課長の理解度 → 一般社員の理解度
  (100%)     (72%)     (52%)      (37%)
  統計的なデーターとしては、発信者の思いは受信者へは72%しか伝わりません。
  情報の減衰は熱意・価値観の減衰につながります。
 2.発揮されないチーム&メンバーの力(力の減衰)
   (1)管理職と部下間で「情報の減衰」が起こる
   (2)管理職が部下の力を理解していない
   (3)管理職が部下を支援しない
   (4)管理職が部下のやる気を引き出せていない
 利点 ①個人よりも集団の方が平均的に優れた結果が出やすい
    ②1人では存在しなかったものが集団では新たなものが生まれる(創発)
 弊害 ①チーム全体の結果は高い方がいいが、自分は楽なのがいい(フリーライダー)
    ②ボトルネック(全体の効率を下げる部分的な障害)の発生
    ③同調圧力(多数の支持のある間違った意見に賛同)
 3.部下(メンバー)が成長しない(フィードバックループの減衰)
   (1)PDCAのサイクルが不十分→フィードバックの機能不全
   (2)管理職の評価能力
     フィードバックを回していくポイント
     ①適切な目標、活動計画の設定と双方(上司・部下)の納得
     ②途中でのダイアログ(対話)→進捗状況と環境変化の共有
     ③双方で結果を確認
 4.組織の中で消えていく顧客の声(顧客の声の減衰)
   (1)組織全体で起こる「顧客の声の減衰」
      事業規模が小→大 に連れて 顧客情報 大→小
   (2)組織階層で起こる「顧客の声の減衰」
      組織階層の下→上 に連れて 顧客情報 大→小
   (3)ビジネスシステムに沿って起こる「顧客の声の減衰」
      製品出荷の順序(顧客との距離)に連れて 顧客情報 大→小

 顧客が刻む時計と、組織が刻む時計は針の速さが異なります。この速度の違いが、致命的な対応の遅れにつながりかねません。組織の強さは、いかに顧客の時計の速さに合わせられるかにかかっています。
 


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