共栄ニュース 10月号「緊急時の決断」
2025/10/02
空の安全を最優先する航空会社の緊急時における業務手順は、顧客の大切な荷物を運ぶ運送会社(乗務員)の危機管理にも大いに参考になります。
航空機での緊急事態に対する操縦室(コックピット)の対応手順について、貴社(乗務員)の視点からどのように考えられるでしょうか。ぜひ、緊急時対応のシミュレーションとして、下記の状況における対応手順を検討してみてください。
<機長の決断>
あなたは航空機のパイロット(機長)で現在航行中です。コックピットに緊急事態が発生したランプが点灯しました。機長として、ただちに適切な処置を取らなければなりません。
次の15項目の中から、緊急性と重要性に基づき、ただちに行うべきものから順に「1」から「15」までの優先順位を決定してください(同順位不可)。判断は個人またはチームで行ってください。
A( )最寄りの空港へ着陸するために高度を下げる。
B( )機関士に計器類の標示の点検、確認をしてもらう。
C( )乗客に事情を説明する。
D( )パイロット用酸素マスクをつける。
E( )地上の整備士にどうしたらよいかたずねる。
F( )異常発生のランプの確認、状況の把握確認をする。
G( )客室乗務員に連絡をとる。
H( )地上の管制官と交信する。
I( )航空安全のお守りをおがむ。
J( )しばらく現状を維持して、状況を分析検討する。
K( )乗客に飲み物をくばる。
L( )緊急事態を発信する。
M( )機内に静かな音楽を流す。
N( )緊急処置、行動をレビュー(見直し、復習)する。
O( )このまま飛行を続ける。
想定される解答例は上記Aから順番に下記の通りです。
【A(11)-B(2)-C(10)-D(4)-E(13)-F(1)-G(7)-H(5)-I(15)-J(3)-K(12)-L(6)-M(14)-N(8)-O(9)】
(12番目以降は個人の判断が分かれる部分ですので、深く気にしなくても構いません。)
あらゆる事故、トラブル、緊急事態が発生した際は、基本的に下記の手順に従って進める必要があります。
確認 ➡ 現状の分析 ➡ 決断 ➡ 指示・対策 ➡ 振返り・修正
ご自身で考えた順位と、想定解答の順位との差はいかがでしょうか?各項目の差の合計が20点以内であれば緊急時における業務手順についてはほぼ合格点と言えます。合計値が40点以上であれば、緊急時における業務手順について再検討が必要かもしれません。
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