共栄ニュース 2026年1月号「運行効率の改善を目指す」

2026/01/05

 近畿地区で大型車両80台を運行するA社は、車両の運行効率に課題を抱えていました。1台当たりの運賃設定は業界相場と比較しても遜色ないものでしたが、全体の収益は赤字基調が続き、経営改善がなかなか捗りません。データに基づき原因を精査したところ、運行効率に問題がありました。
 運送部門の責任者であるBさんが改善に向けた現状把握のため、以下の4つの指標を軸に分析を行いました。

<運行効率の指標>
①運行効率(%):車両の効率性を判断するための全体的な指標
実働率 × 積載率 × 実車率 
②実働率(%):保有車両の稼働状況を判断する指標
所有する車両の稼働状況を判断し、余分な車両がないかどうか
延べ実働車両数(日車)÷ 延べ実在車両数 × 100
③実車率(%):総走行距離のうち、実際に貨物を積載して走行した距離の割合
空荷のない走行状態を判断し、運行ルートの組み合わせを検討する
実車キロ数(km)÷ 総走行キロ数(km)× 100
④積載率(%):最大積載量に対する実際の積載量の割合
車両満杯を目指し効率よく積めているか
輸送トン数 ÷ 最大積載能力トン数 × 100
(走行ルート上で積み下ろしを行う場合は「平均積載率」を算出)
平均積載率(%)=(輸送トン数×実車キロ数)÷(最大積載能力トン数×総走行キロ数)×100)➡ 積載率(%)×実車率(%)×100 

<分析結果と課題>
業界の標準値(運行効率40%、実働率・実車率・積載率各75%以上)をベンチマークとした結果、A社において標準を大きく下回っていたのは「②実働率」でした。
その要因として、以下の2点が特定されました。
・主要荷主が製造業であり、週末の輸送需要が発生しないこと。
・スポット依頼への対応として、常に数台の予備車を確保していたこと。

<改善策と今後の展望>
Bさんは実働率向上のため、具体的な対策として「自社予備車を3台削減し、急な受注や近距離配送には積極的に傭車(ようしゃ)を活用する」方針を打ち出しました。
この方針に対し、社内からは一部反対の声もありましたが、「繁忙期に合わせた車両保有は経営リスクである」という観点から、自社資源の有効活用には一定割合の傭車活用が不可欠であることを説得しました。今後は、傭車活用にあたっての「輸送品質の維持」と、「傭車差益管理による収益確保」を徹底し、持続可能な経営基盤の構築を目指します。
 


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